46歳のTさんは働き盛りで、毎日かなりの仕事をこなしていましたが、昨年より、疲れがひどく、いくつかの病院へ行き、様々な検査を受けましたが原因がわかりませんでした。筋肉痛や関節痛もあるのでリウマチ科の専門医も受診しましたが、「リューマチ科の病気ではない。」と言われただけです。知り合いに薦められて、ある内科医を受診、諸検査ののち、慢性疲労症候群の可能性があると言われ、抗不安薬を服用し、認知行動療法という精神療法を受け、その後徐々に快方に向かっていきました。
運動大腿骨骨折の物理的なストレス療法
慢性疲労症候群は比較的新しい病気の概念ですが、ある検査をしたらそれで診断がつくようなものではありません。慢性的な疲れを起こす他の病気を除外し、慢性疲労症候群の診断基準を満たして初めて、診断が可能なのです。慢性的な疲れを起こす病気としては、貧血、甲状腺機能異常、慢性閉塞性肺疾患、睡眠時無呼吸、心不全、肝炎ウィルスやEBウィルスなどによる感染症、自己免疫疾患、癌、薬の副作用、うつ病などの精神的疾患などがあります。
疼痛管理医師が注意を処方するために
慢性疲労症候群といっても、他の疾患のように典型的症状や身体所見、あるいは特定の血液検査があるわけではないので、診断は簡単ではありません。その原因も感染説や自己免疫疾患説など唱えられていますが、はっきりした原因はわかっていません。慢性疲労症候群を疑うにはまず疲労が「慢性」になければいけません。これは6ヶ月以上と定義されています。問診、身体検査、精神疾患に対する質問・診察の後、一般的な血液検査と臨床的に関連のある諸検査を行います。
皮膚の外陰部疾患の診療所とny
こうした検査によって他の疾患の可能性が低いことを確かめた上で、以下の症状の内少なくとも4つ以上が6ヶ月以上続いているかどうか確認します。(1)記憶力又は、集中力の低下、(2)のどの痛み、(3)首または、脇の下のリンパ節の痛み、(4)筋肉痛、(5)複数箇所の関節痛、(6)新たな頭痛、(7)睡眠後もさっぱりした感じがしない、(8)運動後の倦怠感。
上記の診断基準を満たすと慢性疲労症候群と診断されるわけですが、治療は診断をつける以上に難しいかもしれません。認知行動療法と呼ばれる精神療法が効果あり、とされています。症状に合わせて、抗不安薬、抗うつ薬などの薬物療法も同時に行ことがあります。運動も身体機能を向上させるので、行う価値があります。治療は、上述した薬物療法、認知行動療法、運動療法などを平行して行うようにします。ほとんどの人は症状が改善します。
(おことわり)コラム中の患者さんは架空の患者さんです。
サンディエゴの日系紙「Lighthouse San Diego」に2004年7月16日号に掲載。
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